元駅員・車掌・運転士を経験の鉄道マン!めりの的鉄道の世界!

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JR福知山線脱線事故から16年、JR西日本の安全対策はどうなるのか

 

ヒューマンエラーについて考えさせられる一冊🔻


ヒューマンエラーは裁けるか―安全で公正な文化を築くには

 

鉄道ではクレペリン検査が大切▶️【2022.2月加筆】クレペリン検査を突破せよ!鉄道員は避けて通れない検査のコツを秘密に教えます!|めりの【鉄道経験者】鉄道の本当のところ|note

 

運転士を含む死者107人、負傷者562人を出した

2005年の福知山線脱線事故から

 

今日で16年を迎えます。


「事故を心に刻み、風化させない」とする

JR西日本は昨今かつてない経営危機に見舞われて

いますが、どんな現状なのでしょうか。

 

ネット調べによると乗車人員は緩やかな回復傾向

にあったというが、大阪圏の感染急拡大で

また減少へと転じ収益が落ち込んでいるそう。

これはJR東日本やJR東海も同じなのですが

JR東日本の場合はやはり首都圏をカバーするので

乗車人員が桁違いです。JR東海は東海道新幹線を

保有するなど環境が違います。

JR西日本も山陽新幹線や京阪都市部での稼ぎが

あるが、ローカル線も多く人手が必要になっている

という面もあり、そちらが足を引っ張る形になる

のです。

我々鉄道ファンとしては興味深い

 

いわゆるローカル線が

経営にダメージを与えているのが現実です。

 

人口減少で将来の鉄道業界は厳しくなることは

予想されていましたが、20年、30年後の世界が

突然現実になってきたという状況です。

 

人口減少は危機ではない?

世間の常識を覆す内容が面白い🔻


未来年表 人口減少危機論のウソ (扶桑社BOOKS新書)

 

JR西日本は仕事が減った分、一時帰休を実施して

います。これはまだ他社では見られないので

危機的状況なのは明らかでしょう。

今月21日にはグループ外の企業へ社員出向させる

ことを決めた事もニュースになりました。

何と鉄道運転士も対象だというので驚きました。

 

鉄道運転士は実際はあまりお客様と接点が無い

ものですから、接客などは苦労するのではと

思います。そして出向する方も、まさか運転士の

仕事を離れるとは想像もしないでしょう。

 

この先鉄道という公共交通機関は

どうなるのでしょうか?

 

そして運転士という仕事はどうなるのか。

もしかしたら斜陽産業となっていくかもしれない🔻

鉄道運転士という仕事がなくなる日も近づいている? 〜運転士という仕事が生き残るには〜|めりの【鉄道経験者】鉄道の本当のところ|note

 

鉄道の混乱というと、思い出されるのは

国鉄民営化の頃です。私はまだ小さかったので

当時の詳しい雰囲気はわからないのですが

 

あの時もなりふり構わず職員を様々な場所へ転職

出向させ、希望退職を募りました。


駅構内の売店や飲食店にベテラン運転士が立って

いる、そんな光景もあったようです。

 

職場内の雰囲気も異様だったと聞いています。


運転士という仕事などは好きでやってる人も多く

その立場を追われるのは何とも言えないでしょう。

さらに所属労働組合の関係か、意を唱えた事が

原因かは定かでありませんが、多くの職員がJRに

不採用となる事態も発生したのです。


行き場がなくなって、国鉄清算事業団という

組織に送られるわけですが、その後運転士達は

どの様な人生を歩んだのでしょう。

JRは国鉄清算事業団とは別組織であり、旧国鉄

職員を雇用する義務はないという姿勢を続けて

いました。

国鉄民営化の詳細や課題がわかる一冊はコレ🔽


昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実 [ 牧 久 ]

 


これによって何が懸念されるか。

 

それは技術継承に問題があることです。

 

技術や経験の低下や、何かが起きた際に適切な

対応をできないなどの問題が発生するのです。

日常の点検などに加え、危険予知は経験がものを

いいます。また地震を始めとした災害では

まずは適切な安全確認が第一です。

先日も書きましたが、イザとなったらベテランの

技術は頼りになるものです!

地震後の鉄道施設点検は入念に - 元駅員・車掌・運転士を経験の鉄道マン!めりの的鉄道の世界!

 

しかし昨今のコロナ禍によるダメージ。

 

これでは安全対策を検討する空気ではありません。

 

JR西日本、いや日本の鉄道業界はまた混沌とした

時代に進むのでしょうか。

福知山線事故現場での慰霊式は、感染対策を

施して実施される予定でしたが、直前に大阪府も

緊急事態宣言が発令される事態となり2年連続で

中止が決まりました。


重大事故を二度と起こさない。

安全最優先の企業に生まれ変わるといった

その言葉を実現できるのか。

今注目するべきかもしれません。

 

JR西日本というと、2017年には台車に亀裂が

入ったまま新幹線を走らせるなど重大インシデント

も発生しています。経営が厳しいのは事実なので

しょうが、安全への設備投資だけでなく、制度や

社内の体制、乗務員教育の面でも安全向上への

取り組みはまだまだあるはずです。

運転士という職責を改めて理解させる事も必要

ですし、安全文化は簡単には作れませんので

継続が大切です。

 

経営悪化=安全度の低下

ではいけません。

 

JR福知山線事故を風化させる事なく、事故から

得た教訓を確認し続ける姿勢が必要となるので

しょう。それがお亡くなりになられた方への

せめてもの姿勢でありましょう。

 

福知山線の脱線事故は何故起きたのか。

運転士経験者のめりのが運転士の心理や職場環境

などをお伝えします!🔻

福知山線脱線事故から考える!鉄道運転士はこうしてメンタルが追い込まれる! 〜重圧に勝てなければプロの運転士にはなれない〜|めりの【鉄道経験者】鉄道の本当のところ|note