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運転士は全てが指示通りには動けない 〜日差しの眩しさを軽減するサングラスの話題から考える〜

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刃物事件から考えてみる 〜経験者しか知らない非常通報・ドアコック・乗務員の安全教育とは〜|めりの【鉄道経験者】鉄道の本当のところ|note

 

JR西日本で、運転士に対してサングラスの利用を

可とする記事を前に書きました🔽

日差しの厳しさはプロ意識でカバーするのが運転士である? - 元駅員・車掌・運転士を経験の鉄道マン!めりの的鉄道の世界!

 

その後その対策は、どのような成果をあげたので

しょう?

以下はネットニュースより。

大阪新幹線運転所で約200人の運転士を束ねる

金本尚志所長は「以前からまぶしさで疲労を感じ

たり、視認性が悪かったり、という声が運転士

から上がっていたのでサングラスの評判はすこぶる

いい。大絶賛という言葉を使っていいくらいだ」

と歓迎する。ほぼすべての運転士が貸与を希望したようだ。

 

このニュースをみて。


そりゃそうだよな!

 

というのが率直な感想です。

 

日差しの眩しさには、私が運転士時代も大いに

苦しみました。とくに夕方の西日がさす時間帯

には苦労しました。運転台のカーテンを下ろした

り、目を細めてみたりしますが、信号やホーム上

が見にくいことは度々ありました。

それでも運転を止めることはできません。

 

さて、よく管理者から言われるのは。


「安全上不安があるなら速度を落として良い」


という指示です。

確かにその通りではありますが‥

 

実際の運転でそう簡単に速度は落とせません。

 

眩しいからと延々速度を落としていては‥

まず電車は遅れます。いちいち停車して信号機や

踏切確認も現実的ではありません。指導通りに

各運転士が速度を落とせば簡単にダイヤ乱れが

発生します。

ということは、つまり。

 

眩しい理由で速度を落とすことはできません。

 

では、ダイヤを乱したくないため速度を落とさず

運転し、仮に事故が起きたらどうなるでしょう?

答えは非情なものです。

眩しければ速度を落とせばよいと言っただろ!

という訳で。

 

運転士の責任が問われます。

 

ルールに従わないミスはしっかり責められます。

しかし現場係員には様々なプレッシャーの中で葛藤

があるのです。🔽

ベビーカーを利用するお客様が階段利用するのを助けるのは良いことなのか? - 元駅員・車掌・運転士を経験の鉄道マン!めりの的鉄道の世界!

 

鉄道においてよくある問題なのはコレです。


ルールや指示が出ていても

その通りには現場では判断できない事が

時にあることです。

 

今回の例で言えば、眩しければ速度を落としたり

安全確認をして運転すればよいことは言われなく

てもわかっている。では、各運転士が忠実に

ルールを守るとどうなるか。

 

ルールを遵守すると‥

列車の正確な運行など

成り立たないのです。

 


もちろんそれを現場の人間はわかっています。

だから皆仕方なく運転を続けるのです。

しかし、ルールを守らずに何か事故があれば

乗務員の責任とされる。コレってどうなのかと

私も現役時代にはよく思いました。

本当にルール通りに動ける環境、文化。

そのあたりを。

 

会社が本腰を入れて改善に動かなければ

何も状況は変わらないでしょう。

 

その意味では、サングラスの案は大賛成です。

眩しかったら速度を落とせ。

という、実際には実現できない指示に苦しむ事も

なくなりますし、確実に安全向上につながります。

こういった指示がまかり通るのも鉄道現業らしい

と言えばらしいです。

今後は他社にもサングラス着用が普及していくと

運転士の業務も安心して取り組めるはずです。

 

そうはいっても文句ばかり言っていると

運転士存続の危機です⬇️

鉄道運転士という仕事がなくなる日も近づいている? 〜運転士という仕事が生き残るには〜|めりの【鉄道経験者】鉄道の本当のところ|note