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京浜急行のトラックと電車衝突事故について考える

運転士の存在意義が問われる🔽

 

一昨年に、横浜市の京浜急行の踏切で

立往生していたトラックと電車が衝突した事故に

ついて、国の運輸安全委員会は、再発防止には

信号機の位置や数を適切に配置することが必要

などとする調査報告書をまとめたようです。


以下、ネットより抜粋です。

運輸安全委員会がまとめた調査報告書によります

と、時速120キロで走行している中で、電車の

運転士が踏切内の異常を知らせる信号機が見える

場所に到達してから、1.8秒以内に非常ブレーキを

かける必要があったと試算され、運転士が信号機

確認に必要な時間が十分に考慮されていなかった

と考えられるとしています。

京急というと鉄道ファンにも人気路線です。

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さて、このニュースで元運転士として思うこと。


そもそも踏切がある線区で

120キロ走行はコワイです。

 

高架や地下、地上でも人の入る余地がない

線区なら良いのですが

 

120キロで踏切に向かうことがまずコワイです。

私ならビビります。

 

京急は高速走行を売りにしてますから

仕方ないのかもしれませんが。

 

次に、1.8秒以内に非常ブレーキが必要という点。

以前記事でも書きましたが

運転士が列車を止める事は

プレッシャーがかかります。以下記事もどうぞ。

 

1.8秒でというところですが

これはあっという間の時間です。

信号現示を認めて、その瞬間にブレーキを入れる

必要があります。運転士が列車を止めるには

それなりの理由が必要て、ダイヤを乱したくない

という空気感もあり

 

間髪入れずにブレーキ投入は

非常に躊躇するのです。

 

どうしてもその時間が発生します。

また、踏切の異常信号は比較的に見るもので

危険信号を認めたがすぐに消灯したという事も

よくあるのです。人の渡り遅れなどが原因です。

そのため、まぁ大丈夫かもな。という心理が

運転士に働きます。これがブレーキの遅れに

繋がります。

 

そして一瞬の迷いは致命的となるのです🔽

公共交通機関の運転士は一発のミスでレッドカードとなる! - 元駅員・車掌・運転士を経験の鉄道マン!めりの的鉄道の世界!

 

 

非常ブレーキもすぐに入れられない事があります。

非常ブレーキは非常時に投入します。

今回のような場合、運転士心理としてはまず

常用ブレーキで減速して様子をみよう。

そんな気持ちが働きます。

本来、いざという時は迷わず非常ブレーキを

使用するべきですが

 

実際はこれが非常に躊躇するものです。


京急では、今回のような事例の際は常用ブレーキ

か非常ブレーキかは運転士の裁量に任せられて

おり、この事故をきっかけに非常ブレーキを

使用するよう社内規則を定めたようです。

 

私としては、運転士心理はよくわかります。

しかし鉄道とは事故を起こさずに安全運行が必要。

同様の事故が発生しないよう、各社の対策が

求められています。

 

京急はワタシも好きな路線です。

ぶらり途中下車の旅も悪くないでしょう🔻


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