元駅員・車掌・運転士を経験の鉄道マン!めりの的鉄道の世界!

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少し真面目な話をしてみよう「空転と滑走」について

鉄道本社と現業の関係を知る🔻

 

有名な国鉄三河島事故の本。

古いけれど、失敗の本質を学べる良書!👇


空白の五分間 三河島事故 ある運転士の受難 (講談社文庫)

 

台風が日本列島に接近しています。

甚大な被害が出ないように祈るばかりですが

我々は備えることしかできませんので

万全の準備をしておきたいところです。

 

さて、台風といえば雨と風。


今回は雨に関わる少し真面目な技術的なお話です。

とは言っても、あまり小難しいお話には

しませんのでご安心を。

 

鉄道は非常に複雑なシステムから成り立ってます。

そしてその中で伝統の技術が確かに

脈々と受け継がれています。

 

本日は「空転と滑走」


特に雨の日には気を使うことになります。

どちらも運転の時にはとても気を使う現象で

あります。簡単に説明します。

 

空転とは。

レールが雨等で濡れているときに

粘着力が少なくなり起動時や加速時にスリップ

する事をいいます。

滑走とは。
空転の状況が減速時に発生する事をいいます。

 

つまり、車輪の回転しようとする力が

粘着力を上回った場合には空転

制動力(ブレーキの力)が粘着力を上回った場合

滑走が起きやすくなるということですね。

車でも路面が湿った時に起きたりしますが

鉄道の場合は車輪もレールも金属ですから

粘着係数が車に比べてとても小さいことから

滑走が生じやすくなります。

 

鉄道運転士は様々なプレッシャーが!🔻

 

一般的な粘着係数の値はこのような感じです。

乾燥している時 → 0.25〜0.30

湿ってる時 → 0.18〜0.20

雪や霜が付着時 → 0.10〜0.15

わかりにくいかもしれませんが

湿ったり、雪が降ったりするにつれ

運転は難しくなるのです。

これらはその時の状況や速度によっても

変わりますが、参考にはなるでしょう。

天候の悪い日には、運転が難しくなります。

 

これも技術や経験によって上手い運転と

ヘタクソな運転と、様々にわかれます。

 

特にブレーキ時の滑走で

顔が青ざめるような経験

をする運転士も多いのではないでしょうか。

私は雪の日の駅停車ブレーキ操作で

編成の半分がホームから飛び出てしまったことが

あります。この過走で荒天時に運転する怖さを

思い知りましました。日々、それらを繰り返し

経験を積んでいくのです。

 

ちなみに、滑走をしてしまうと

車輪が削れてフラットというものができてしまい

その部分はガタガタと異音がしてしまいます。

これはある意味ハッキリ言えば‥

 

皆様。私は下手くそな運転をしました。

 

と周りに示しているようなものです。

 

鉄道員は酒飲みが偉くなるものです🔻

 

運転士はプライドのためフラットを作らない

運転を日々研究しているのです。

運転士はただ運転してるように見えますが

運転技術に関してはプライド高い人も多いです。

お互いに色々な人の運転を良く見てたりして

切磋琢磨しているのです。

そんな職人魂を、持って仕事できることは

素晴らしいことですよね。

 

電車の運転というわかりやすいタイトル🔻

現場たたき上げの運転士が書いた本。

皇室が御乗車する列車も運転担当したとか、必見!


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